t-yamaguchiの日記

書評や、気になったことをブログや日記に書きます。

大相撲のことを、もう少しだけ真面目に考えてみた

はじめに

前回、大相撲の審判制度について少し書いたが、書き終えたあとも大相撲についてあれこれ考えてみた。

あらためて考えてみると、長年の相撲ファンとして、いろいろと思うところがある。

私はときどき、周囲の人と大相撲の話をすることがある。
ただ、そのたびに感じるのは、「思ったほど関心を持っている人が多くないな」ということだ。

現在の大相撲は、全体として見れば人気があり、国技館だけでなく、大阪・名古屋・福岡の本場所もチケットが取りづらいと言われている。
しかし、私の実感としては、その人気を支えているのは比較的年齢の高い層で、若い人たちの関心はそれほど高くないのではないか、という気がしてならない。

実際、笹川スポーツ財団(SSF)の「スポーツライフに関する調査」(2018年)を見ると、「種目別直接スポーツ観戦率」で大相撲が上位に入るのは50代以上のみで、40代以下では上位に入っていない。

さらに、新弟子の数も大きく減っている。
1992年には160人いた新弟子が、近年では30~40人程度にまで減少しているという。
この数字を見ると、若者の関心の低下が影響していると考えても不自然ではないだろう。

こうした状況を踏まえると、今後の大相撲にとって重要なのは、若い世代にどう関心を持ってもらうか、という点ではないかと思う。

では、どうすればいいのだろうか。
以下は、あくまで一人の相撲ファンとして考えた私なりの案である。

1.大相撲の開催時間を見直してはどうか

まず思うのは、開催時間の問題である。

現在、大相撲の取組は夕方6時ごろに終わる。
しかしこの時間帯は、仕事をしている人にとってはまだ帰宅途中で、リアルタイムで観戦するのが難しい。

もし終了時刻を午後8時ごろに設定できれば、仕事終わりに「生で」観戦できる人はかなり増えるのではないだろうか。
やはりスポーツは、リアルタイムで見るからこそ面白い。

最近は録画や配信で後から見ることもできるが、ライブで見る臨場感にはかなわない。
また、若い世代がテレビを見なくなっていることを考えると、YouTubeなどでの同時配信を本格的に検討するのも一案だろう。

開催時間を見直すだけでも、20代〜40代への訴求力はかなり変わってくるのではないかと思う。

2.もっと外の声を取り入れてもいいのではないか

次に気になるのは、大相撲の運営体制である。

現在、日本相撲協会の中枢は、ほぼすべてが元力士であり、しかも中高年の男性が中心だ。
言い方はよくないが、かなり閉じた世界であることは否めない。

外部の意見を取り入れる仕組みとして「横綱審議委員会」があるが、メンバーを見てみると、女性はいるものの、やはり年齢層は高めで、相撲に深く理解のある人が中心になっている。

資格要件には
「相撲を最も愛好し、相撲に深い理解を有する各方面の良識者」
とあるが、これは裏を返せば「現状に理解のある人」が選ばれやすい仕組みとも言える。

もちろん、相撲をよく知っている人の意見は重要だ。
しかし一方で、あまり相撲に詳しくない人、若い世代、女性、外国人など、違う視点の意見を聞く場があってもよいのではないだろうか。

「女人禁制」や「部屋制度」など、議論を呼びやすいテーマがあるのも事実だ。
だからこそ、批判を恐れず、建設的な意見を取り入れる姿勢が大切なのではないかと思う。

3.力士の怪我と健康管理について

もう一つ、どうしても気になるのが、力士の怪我と健康管理の問題である。

相撲は非常に激しい競技で、怪我が多い。
しかも、怪我によって本来の力を発揮できないまま引退してしまう力士も少なくない。

かつては「公傷制度」という、怪我による休場を一定程度考慮する制度があったが、現在は廃止されている。
制度運用の難しさがあったのだろうが、もう一度見直してもよいのではないかと思う。

また、力士の健康管理についても、もっと踏み込んだ対策が必要ではないだろうか。
過去の横綱を見ても、決して長命とは言えないケースが多い。

糖尿病などの生活習慣病を抱える力士も少なくないと言われている。
健康診断は行われているようだが、それだけで十分とは言いがたい。

力士の健康を守ることは、本人のためだけでなく、大相撲全体の未来にも関わる問題だ。
「怪我が多く、体を壊しやすい世界」という印象が強ければ、親が子どもを相撲の道に進ませたいと思わなくなるのも無理はない。

おわりに

以上が、私なりに考えた「大相撲をより良くするための提案」である。

もちろん、簡単に解決できる問題ばかりではないし、現場には現場の事情もあるだろう。
それでも、大相撲がこれからも多くの人に愛される存在であり続けるためには、どこかで変化が必要なのではないかと思う。

伝統を守ることと、時代に合わせて変わること。
そのバランスをどう取るのか。

それを考えること自体が、今の大相撲にとって大切なのではないだろうか。